写真は他の芸道と違い比較的簡単に入れる道ではないでしょうか。 その昔写真機といえばその道の専門家しか操れない職人的な道具でした。
今ではどうでしょうか、極端に言えば創作意識の無い小さな子供
でもシャッターを押すと間違いなく失敗のない写真が撮れる時代に
なりました。此の事は他の表現等に比べ写真は芸の入門には打って
つけの表現手段の一つに入りました。当初絵画の模写の道具として
の位置づけであった写真機も感光材料の飛躍的な発達で絵画職人の位置を
脅かす存在になりました。この現象は現代のアナログ世界からデジタル世界
に推移し従来のアナログ表現者を脅かす現象と少し似ています。其の事で絵画
職人が廃れたのでしょうか?いえ、逆に画家たちは印象派など写真で
表現できない新しい道を切り開きました。これは写真にも言えます。
最近写真作家が進んでフイルムによる表現を取り入れていることがそれを
物語っています。写真愛好家の皆さんもアナログによる多義的表現にチャレ
ンジしてほしいものです。写真展の展示も写真表現の中に含まれる
事で各地で沢山の写真展が開催されています。
いうまでもなく他者の作品を鑑賞する事は自分の自身の創作活動の
大きな糧になると言っても過言ではないと思います。
作品を客観視する事でその作者の思想までもが見える事があり
展示会に足を運び作品のみならず作者まで見る眼を持つことの楽しさ
大事さも考えられます。
さて沖縄県写真協会による全粒秀作写真選抜展が今年も開催されます。これは
沖縄の写真愛好家による公募展やその他の写真コンクールで上位入賞した作品
や県内の写真サークルやクラブの推薦作品による写真展です。県内でもこれ程
の作品が一堂に展示される写真展はなく写真愛好家の方には大きな技術習得の
空間です。
今回30周年記念として、シンポジウム&トークショー及び各サークルの代表者による交流イベントも
開催いたします、多くの方のご来場をお待ち申しています。
2019(令和一年10月15日 沖縄県写真協会 東 邦定